前回、ご紹介した、かっぱ橋道具街にある“黄金の河童”こと「かっぱ河太郎像」。
そのモデルは、江戸時代、現在の道具街の近くで、雨ガッパ商を営んでいた合羽川太郎(かっぱかわたろう)こと合羽屋喜八(かっぱやきはち)さんというお話をご紹介しました。
江戸時代、洪水に悩まされていた住民のために、私財を投げ打って掘割工事を行い、
その時、隅田川の河童たちの協力を得たという伝説から、なぜか河童と融合した姿で道具街に鎮座しておられます(笑)
と、前回のお話はここまででしたが、実は、この伝説には、続きがありました!
なんと、川太郎さんゆかりの寺に、
本物の“河童のミイラ”が、保管されているのだとか。
そのお寺がこちら!
通称「かっぱ寺」こと曹源寺。
知らなければ普通に通り過ぎてしまいそうな普通のお寺さんなのですが、そんなお宝が眠っているとは…
さすが台東区、奥が深い!
ということで、今回は、「かっぱ寺」に眠る“河童のミイラ”を取材してきました!
曹源寺(通称 かっぱ寺)
東京都台東区 松が谷3-7-2
川太郎が眠る寺
お寺の入り口には、台東区恒例の説明書きがしっかりと貼られています。
さすが台東区、感謝!(拝)
説明書きによると…
お寺が出来たのは、なんと1588年(天正十六年)。
江戸時代どころか、完全に戦国末期。
あの太閤秀吉さんが刀狩令を発した年じゃないですか(汗)
めっちゃくちゃ由緒正しいお寺なんですね。
元々は、現在の和田倉門付近に開創されたそうですが、その後、江戸城の拡張工事のために湯島天神の近くに移転。
さらに、明暦の大火により大半が焼失し、現在の場所に移転してきたそうです。
で、なんで「かっぱ寺」かというと…
ここに、我らが河童伝説の主人公、合羽川太郎(かっぱかわたろう)さんのお墓があるから!
以来、「かっぱ寺」と呼ばれるようになったそうです。
河童ミイラとご対面
由来を確認したところで、早速、境内へ!すると…
何やら得体の知れない木造がお出迎え…(怖)
頭に色々刺さってる…いや、河童なのか?
しっかりお堂で守られてるので、由緒ある何かなのでしょう。
でも、夜に見たらめちゃくちゃ怖いぞこれ…などと呟きながら先へ進みます。
境内に入ってすぐの場所に、何かを祀っていそうな立派な建物を発見!
“河童のミイラ”は、この中に?
ちょうど、建物の中から話し声が聞こえるので、恐る恐る中へ…。
取材班「あの…河童のミイラがあると聞いてきたのですが(笑顔)」
関係者「はい、ありますが…見るには予約が(苦笑)」
なんですと!プラっと来ちゃいました(滝汗)
よく考えたら、そんな大事なものプラっときた不審者に見せるわけもないですよね…
これは出直しかと諦めかけた次の瞬間、
まさかの奇跡が!
中にいた人「一緒に見ますか?こちらは問題ないですよ」
関係者「あー今、ちょうど取材の方が来られてまして、ご一緒なら良いですよ」
取材班「え!?いんですか?是非お願いします(超涙目)」
神降臨!いや河童神降臨!
いやぁ世の中捨てたもんじゃないですね、こんな不審人物に優しさをありがとう!
お言葉に甘え、取材のお邪魔にならないようコソコソと中へ…
建物の中心には、何かを祭る神棚が。
ん?馨子(金属の鳴り物)の下に何か書いてあるぞ…。
河童様へのお唱えの言葉
「オン・カッパヤソワカ」
こちらが、その河童様。
河童様を祀るお堂だったんですね。
さらに、お堂の天井には、河童の絵がびっしり!いやぁすごい!
そんなお堂内のショーケースに置かれていたのが…
“河童の手のミイラ”!
片手だけでしたが、リアル河童さんとご対面です!
箱に書かれている「水虎(すいこ)」とは、中国の川にいた伝説上の生き物の名前。
日本では、河童など川に住む妖怪の総称として知られているそうです。
つまり「水虎」=「河童」というわけですね。
この手のミイラは、川太郎さんを助けた河童…ではなく、河童を祀っているお寺という縁で、持ち主から寄贈されたものなのだとか。
いやぁ生で河童の手が見られるなんて…何かご利益がありそう。
ちなみに、「河童の手」の脇には…
川太郎の掘割工事を手伝う、隅田川の河童たちの伝説を描いた水墨画もありました。
でも、夜中にこんな光景見たら、腰抜かすなこれ(笑)
河童に囲まれて…
というわけで、しっかり予約されていた記者さん(?)のお邪魔にならないように、不審者は静かに退散(笑)
ご協力ありがとうございました!(拝)
と、建物を出たところで、今さらあるものに気づいちゃいました。
建物の下に、河童に守られるように佇む…お墓?
実はこれこそが、合羽川太郎さんのお墓と伝えられている石碑でした(汗)
石碑には…
「てつへんへ手向けの水や川太郎」
という句が刻まれていました。
てっぺんに手向けの水かな?お参りしてねという意味でしょうか。
だから柄杓が置いてあるのかな?(合掌)
というわけで、今回は、浅草のお寺に眠る“河童のミイラ”をご紹介しました。
是非、皆さんも訪れてみてください!
あっ!予約は忘れずに…(汗)
曹源寺(通称 かっぱ寺)
東京都台東区 松が谷3-7-2
03-3841-2035
※ミイラのあるお堂の観覧は、訪問の前日までに要予約