歴史ある台東区内には、様々な“発祥の地”が存在します。
上野不忍池には、“日本駅伝発祥の地”が。他にも、“日本で最初の喫茶店”や、“川柳発祥の地”などなど。
その中で、今回、注目したのは、“講道館柔道発祥の地”!
というのも…
以前、取材した“かっぱ橋道具街”で見つけた案内図で見つけちゃったので(笑)
ご紹介すると約束しましたしね!どんな場所なのか早速行ってきました!
というわけで、今回は、“講道館柔道発祥の地”をご紹介します。
講道館柔道発祥の地
東京都台東区東上野5-1-2「永昌寺」境内
今も残る当時の面影
東京メトロ銀座線「稲荷町駅」を出て東に進むと…
早速、交番の傍に立派な案内板を発見!
台東区って史跡に対する細かい配慮が行き届いてるよね〜!さすが歴史の街です(感心)!
なになに…
明治15年(1882年)講道館柔道の創始者・嘉納治五郎(1860年〜1938年)が友人や門弟とともに稽古を始めたところが、当下谷永昌寺の書院であった。これが今日、世界各国に普及し国際的な広がりを持つ講道館柔道の発祥とされている。道場となった書院の広さは12畳、初年の門弟は9人であった。
道場せまっ!(笑)
でも、最初はそんなもんですよね〜。
それが今や、オリンピックの花形種目となり、世界200カ国もの国で競技として根付くまでに進化したのですから。
創始者の嘉納治五郎先生も、さぞかしビックリでしょう!
というわけで、交番の警察官の視線が痛いので、早速、境内へ(笑)
交番の脇の細い路地を進むと、そこには…
なにやら趣のある門構が目の前にど〜んと登場!
嘉納先生もこの門を通って境内に入ったのかしら…などと妄想を膨らませてしまいますよね。
旧道場は今…
門の前で無意識に一礼し境内へ…。
境内に入ると、さらに立派な本堂がドドーンとお出迎え。
さて、書院、書院と…あれ?そんな建物ないぞ?
Googleマップ先生を開いて確認しても、それらしい建物はない様子…(汗)
もしや、消滅してしまったのか…。
不審者のように境内をキョロキョロ見渡すと、敷地内の一角に立派な石碑が建てられていました。
もしかしたら、ここに何か建物があったのでしょうか?
兵どもの夢の跡
境内には、これ以上の情報がなかったので、改めてこの寺について調べてみました。
永昌寺が建てられたのは、江戸時代の永禄元年(1558年)。
当時、この周辺は、下谷長者町と呼ばれ、近辺に大名屋敷が多く立ち並んでいたそうで、
その大名家のひとつ、肥前藩主の妻・「永昌院」が開基したお寺なんだそうです。
だから、名前が「永昌寺」なんですね。
当時は、2000坪もの広大な敷地があったそうですが、
関東大震災と空襲で2度も焼失!
徐々に敷地を縮小し、今に至るそうです。
その時、書院もなくなってしまったのかもしれませんね。(涙)
建物は焼失してしまいましたが、「柔よく剛を制す」の精神は、今も、日本のみならず世界中で生き続けています。
皆さんも、嘉納治五郎先生が精神を鍛えた柔道発祥の地を訪れてみては?